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運動会でのハプニング 小学生の頃、同じクラスに運動の苦手なY君という子がいました。 彼は運動会があまり得意ではなく、走るのも遅くて徒競走に出るといつもビリで終わっていました。 運動会の日が近づいてくると休みたいなあとか、風邪ひかないかなあとかつぶやいていました。 でも親友のY君が運動会を休んでしまうとつまらないので、休まないでくれよと頼みました。すると彼も覚悟を決めてくれました。またビリになるかもしれないけどがんばるよ、と。 そして運動会当日、徒競走が始まりました。 先に走り終わった私は、これから走るY君を応援して見守っていました。 よーいドンの合図で6人の生徒が走り出しました。予想通りY君は出遅れ、一番後ろを走っていました。 このままゴールすればY君は今年もビリになってしまいます。Y君、前の子についていくんだ、離されるな!がんばれがんばれと応援していました。 しかし追いつくどころか、Y君と他の生徒との差は徐々に開いていきました。もう少しで先頭の子はゴールしそうでした。 その時、思わぬことが起こりました。 ゴール寸前で先頭を走っていた子が派手に転倒したのです。すると、すぐ後ろを走っていた子が転んだ子につまずいてその子も一緒に転びました。 するとさらに、残りの子もその転倒に巻き込まれて転んだり引っかかったり、避けようとしてバランスを崩したりしてもうグッチャグチャの状態になりました。 そしてなんと、少し離れていた位置にいたY君だけが転倒に巻き込まれずにすみ、そのままゴールを切ったのでした。 これには見ていた全校生徒、父兄、先生、みんな大驚きでした。そして最後まであきらめずにがんばったY君に大きな拍手が。 まさに奇跡。とんだハプニングで一等賞をとってしまったY君。転んだ子達はは悔しそうにしていましたが、私はY君が勝ってくれたのでホントにうれしかったです。
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